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ヒューマン×ネクロロジー

S F や ホ ラ ー が す き 

AΩ

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AΩ

ΑΩ も 久々に読み返す。
結構長い小説なので、端々をひろい読みする程度にする予定だったのだが、
ほとんど通して読んでしまった。

ひどい引力である。

厚い―質量がデカイ―だけのことはある。(違)

以前読んだときは、私はSFギライだった為、第一部の”ガ”の世界に退屈していた。
(プラズマとか磁場とかを映像としてイメージする事が出来なかったことが理由だと思う、確か)
一番楽しかった箇所は、主人公の変身シーン(湖での戦闘)だった。

しかし今回読み返してみて、一番楽しかったのは”第一部”であった。
(稚拙な表現で申し訳ないが) 夜景 を何億倍も美しくしたような、営みある光と闇のコントラストが、なんかもう、チョーよかった。
初めて読んだ時に分からなかった単語 (例えば、”パーセクマシン”、”量子”など)も、今は(単語の意味としては)理解できている(とおもう)ので、混乱 も無く楽しめた。

センス・オブ・ジェンダー賞―性差の描写について与えられる賞―に輝いたのも、読み返すことで初めて納得した。(一体前は何を読んでいたのだと、今思ったが、以前は単に、”科学的な(?)バトル小説”だとおもって読んでいた。けれど、今読み返すと 第一部 の描写は”美しい”としかいいようが無いほど 美しい。解説でもあったが、エレガント であり ガと主人公の”すり合わせ”も、今回―第一部をつっかえないで読むことが出来た結果―非常に印象深く読めた)

(さして興味はないのだけれど)この本の<ジェンダー>に関ることとして、彼らにとっての「交接」が、挙げられるそうだ。
”情報”の交換が、種族の繁栄と淘汰であり、それは”魂(スピリッツ)”を繋ぐ事でもある。
交接の”種的”な目的は前文にあり、”個的”な目的は後文にある。

しかし、その上で(他の個体はどうかは知らないが) ガは、
文化として残すべき”情報”が、長老によって ふるいわけ(検閲?) されることを理解している。

つまり、”残されるべき魂”は、社会に隷属され、浄化のうえ、還元されると知っている。

その上で測量士と交接を行うこと。その後も測量士を”想う”ことは、測量り知れない”情”でしかありえないのではないか。
それを男女感の恋愛だとすることは早計であることは、解説にも書かれているが、やはり僕も思う。

ガのしていること(想い)は、種の繁栄も、強固な社会のシステムも無視した、ただ、”魂”を繋ぐ、その一点のみの営み。

”愛”という(手垢に塗れてしまった←あくまで一部の辺境だけを見て判断した、個人的な意見だが)、言葉を用いるより、”センス・オブ・ジェンダー”という、「聴きなじみ無い」賞で賞賛されて、なんかこう、納得するのだ。
(異性愛という意味ではなく、性差の無い愛という意味でも、勿論これは通じるのだけれど)
 
交接のしくみを 我々の社会に嵌めこんだとき、(日本だからか)”情報消費社会”としてのネガティブな見方も出来てしまう。けれど、”消費社会”が経済を回し、”人付き合い” を回すことは事実だろう。
その上で、「どう折り合って、社会で生きていくか?」。例の秋葉原事件や、宮崎被告の死刑を知るとそれを思う。

ロックという言葉に商業的意味が融合し、消費社会の中で、ロック雑誌だけをあさり、自分をロックだと思う人間。僕はそれにイラつくのだけれど、「折り合いをつける」という意味で「オレはロックだ」と叫ぶのであれば、それは腑に落とすことも出来る。
ただ、無論それは(彼らの意図する)ロックなのでは、絶対に無くなるのだが。

閑話休題。

久々に読んで、ΑΩの第一部がとっても面白く読めました。

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