忍者ブログ

ヒューマン×ネクロロジー

S F や ホ ラ ー が す き 

8分の1度の観測に師弟愛が滾るのか

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

8分の1度の観測に師弟愛が滾るのか

井田屋文夫さんの著書『物理のしくみ』が面白くて仕方ない。
あたしのようなばかちんにも解りやすく書いてあって、特別難解な言葉も用いない。
なんだか物理の本というより著者による”小話”を聞いているようで、あちゃしとしては非常に読み良かった。

前文にある、「物理とは数式ではない。言葉なんだ(挙書引用/P4)」「物理は知識ではなく考え方を教えてくれる学問なんだ(挙書引用/P3)」という文にも非常に感銘を受けました。

さて(実は何回も繰り返して読んでいる本なのですが)、今日読んでて感動した部分を折角なので(日記ですし)メモしておこうと思う。

●今日のヘッポコメモ●
・天動説→地動説への移行について、功労者はそれぞれ
<アリストテレス(B.C.384生)→プトレマイオス(2世紀頃)・・・天動説>
<コペルニクス(1473生)→ブラーヘ→ケプラー(1571)→ガリレオ(1564)→ニュートン(1642)・・・地動説>

・中でも地動説におけるブラーヘ→ケプラー間の受諾がアツイ!!!



~以下非常に個人的な趣味としての「ブラーヘ→ケプラー間受諾」に対する解説~



時は17世紀初頭 ブラーヘの弟子であったケプラーは、ブラーヘの死後、観測データを受け継ぐ。

ケプラー、ブラーヘの研究とは逆の立場(=地動説)で調査を進める。

すると、火星の軌道が円だとすると辻妻の合わない部分(つまり誤差)を発見!

その誤差なんと、8分の1度(1分=1/60度)!!!

おそろしく小さな誤差である。ひょっとしたらそんな誤差は、ブラーヘのとっつあんが観測し間違ったものかもしれない
 
が・・・・!!! ケプラーはそう考えなかったッツ!!!

ブラーヘの観測結果を信じ(といってもおそらくケプラー自身、助手として参加はしていただろうが)、8分の1度という誤差に真摯に立ち向かっていったのである。

マクロの世界に住む私としては、こんなせまちい誤差など、ほんと、「誤差? あっそー、気のせい、気のせい。つーか、きっとどっちかの観測がヘマったんじゃね?」で、済ませてしまえば楽なのになぁ、と思う。

とにもかくにも、この、たった8分の1度という瑣末な誤差から、火星はそれまで考えられていた”円軌道”ではなく、”楕円軌道”ということが導き出された(ケプラーの第1法則)。

著者はこれを、感動的な(考え方の)大転換といっているがまさに自分もそう思う。

しかし、僕がそれ以上に感動的と思ったのが、ケプラーとブラーヘの美しい師弟関係。

ケプラーはブラーヘの観測結果を信じたからこそ、誤差を誤差として、真摯に研究し、新説表明に至った。
この、「人の仕事を信じる」という行い、まさに師弟関係の滾り薔薇!!

ウーム、アツイ・・・。などと思っていたら、よくよく考えるとブラーヘとの共同研究により発見された「法則」に冠せられた名は、第三法則までずーっと「ケプラー」。

おい!ケプラー!! ブラーヘの名は!!?

この機会にぜひとも皆様にもブラーヘを知っていただきたい。

そして僕はこれから「ケプラーの法則」を「ティコ・ブラーヘに捧ぐ、ケプラーの法則」と言うことにする。



ああ、ブラーヘのとっつあん。せちがらいねぇ。次代の若者ってぇのはよ。
PR

コメント

カレンダー

06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

カテゴリー

最新コメント

プロフィール

HN:
アカ
性別:
男性

バーコード

ブログ内検索